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津田:みんなが叩きやすい情報をピックアップし、そして叩く。そうすることでアクセスを増やし、広告料を増やしていく。その結果、運営者はうまいメシを食うことができる。
あとゴシップ系の記事がよく読まれるというのも、同じような構図。他人の不幸を楽しむ人は多いので、そうした記事はアクセスが集まりがち。そして運営者はアクセスが集まるような記事を狙いがちになる。それはジャーナリズムでもなんでもない。
マスゴミよりもひどい“マスゴミ的なこと”をしている人たちが縮小再生産され、そうしたマスコミの悪い部分だけ集めた小さなメディアが拡大、拡散している状況がありますよね。
鈴木:ネットの場合は、「違う人からどう見えるか」ではなく「うがった見方を他者と共有する」ことがメディア批評の醍醐味になっていますからね。その一方で、ネット専業のメディアも成熟しつつあるのではないでしょうか。最近、「遊び心のある記事が減ったなあ」と思っています。アイティメディアも含めて(笑)。
(中略)
津田:『ガジェット通信』や『ロケットニュース24』などを見ていると、いわゆる“釣りタイトル”が多い。なぜ釣りタイトルが多いかというと、アクセスが集まらないから。逆にいうと、そうすることでしかお金を集める手段がないという不幸でもあるんですよ。
個別の記事で読むと良い記事や「お、これはマスメディアでは絶対に載らないオルタナティブなジャーナリズムだな」ってものもあるんですけどね。人の不幸や叩きやすいものをひたすら叩いてアクセスを集めてそれでお金に換えるという状況は不毛だな、と思いますね。
鈴木:マネタイズの問題であると同時に、アクセス数という明確な数字に表れる、読み手の方の要求の問題でもありますね。
(中略)
鈴木:メディア研究では「サウンドバイト」の問題がよく指摘されます。テレビは1つの話題を扱う時間が短いので、出演者やVTRでのコメントも、一言で結論が見えるようなものばかりが取り上げられてしまう。でも前後の文脈を交えるとまったく逆の意味になる言葉ってあるわけです。
テレビに出る際には、どうしても5秒、10秒で何を言えるかが問われてしまう。文章を2つつなげないと伝わらないような内容を話したかったら、語りだしから「この人は分かりやすく喋る人だなあ」という印象を持たれるような言葉を使わないとダメ。でも抽象的な内容って、そもそもじっくり話さないと分からないわけだから、それを丸めるとどうしても「何かいいことを言ってるようで、内実のまったくない話」になってしまいがち。